こんにちは!鳴門市の和田歯科医院の歯科医師、吉積です。
「歯周病の治療って、実際にはどんなことをするの?」患者さんからよくいただくご質問のひとつです。
歯周病は“静かに進む病気”と言われます。虫歯のように痛みが出にくいため、気づいたときには進行していることも少なくありません。
でも安心してください。歯周病は進行の段階によって治療方法がきちんとあり、適切に対処することで進行を止めることができます。
今回は、軽度から重度までの治療内容をわかりやすくご紹介します。
♢軽度歯周病:まずは基本の「歯石取り」
軽度の歯周病は「歯ぐきが赤い」「歯みがきで出血する」程度の症状です。
この段階では、歯にこびりついた歯石やプラーク(細菌のかたまり)を取り除くことが治療の中心になります。
- スケーリング:専用の器具で歯石を除去する処置です。
- ブラッシング指導:ご自宅での歯みがき方法を一緒に見直します。
軽度の歯周病は、この基本的なクリーニングとセルフケアの改善で十分に改善が期待できます。
歯ぐきからの出血は歯周病のサイン?詳しくはこちら▸ 【医院コラム】歯ぐきから血が出るのは歯周病?〜その出血、じつは身体からのSOSかも〜
♢中等度歯周病:歯ぐきの奥まできれいに!
進行すると、歯ぐきの奥(歯周ポケット)の中まで歯石がこびりつき、炎症が広がります。
ここまでくると「歯が浮いたような感じがする」「口臭が気になる」などの症状が出やすくなります。
この段階で行うのは、歯ぐきの奥深くにある歯石や細菌を取り除く処置です。
- ルートプレーニング:歯ぐきの中に入り込んだ歯石や細菌を専用の器具で取り除き、歯根の表面をなめらかにする処置です。
- ポケット洗浄:薬剤で歯周ポケットを洗浄し、炎症を抑えます。
この治療は麻酔をすることもありますが、痛みを最小限に抑えながら丁寧に行います。
治療後は歯ぐきが引き締まり、口臭も改善していきます。
♢重度歯周病:外科的な処置が必要になることも…
さらに進行すると、歯を支える骨が大きく溶けてしまい、歯がグラグラしてきます。
ここまで来ると通常のクリーニングだけでは不十分で、外科的な治療が必要になることがあります。
代表的な治療には次のようなものがあります。
- フラップ手術:歯ぐきを開いて、奥深くに残った歯石や感染部分を直接きれいにする方法です。
- 再生療法:溶けてしまった骨や歯ぐきを再生させるために、特殊な薬剤や材料を使う方法です。
- 歯の固定:グラグラした歯を隣の歯とつなげて安定させることもあります。
重度歯周病は「歯を抜かないといけない」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
状態によっては歯を残せるケースも多いため、あきらめずに歯科医師にご相談ください。

歯周病治療のゴールは「治す」より「守る」
歯周病治療で大切なのは、「治療して終わり」ではなく、その後のメンテナンスです。
一度きれいにしても、普段の生活でプラークは必ずたまります。
ですから、定期的にクリーニングを行いながら歯ぐきの健康を維持していくことが欠かせません。
- 軽度なら、3〜6か月に1回の定期検診
- 中等度以上なら、1〜3か月ごとのメンテナンス
を目安にすると良いでしょう。

歯石除去の重要性についてはこちら▸ 【医院コラム】歯周ポケットの重要性と自宅でできるケアのコツ
まとめ
歯周病治療は、症状の進行度によって段階が分かれています。
- 軽度:歯石取り(スケーリング)+正しい歯みがき
- 中等度:歯ぐきの奥までクリーニング(ルートプレーニングなど)
- 重度:外科的治療(フラップ手術、再生療法など)
そして、どの段階でも共通して大事なのは「治療後の維持」です。
歯周病は生活習慣病ともいわれるほど再発しやすいため、治療後も定期的にケアを続けることが最大の予防になります。
当院では、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた治療と、その後のケアを大切にしています。
「最近歯ぐきが気になる」「検診をサボっているな」という方は、ぜひ一度チェックにお越しください。
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歯科医師 吉積
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